久しぶりに、京極夏彦さんの文庫本が出たので、正月休みから読んでいた。
半端ない厚さなので、文庫本なのに持ち歩く気にもならず、よって、正月休み中に読みきれなかったため、その後、読了まで時間がかかってしまった。
『豆腐小僧双六道中ふりだし』(角川文庫)
この本は「京極堂シリーズ」や「百物語シリーズ」でもない、妖怪の豆腐小僧が主人公で妖怪たちが繰り広げる物語である。
ミステリーやホラーといったジャンルではなく、私見でいうと「青春もの」である。
豆腐小僧が妖怪である「自分」が定かでない不安を持ちながら、様々な妖怪とな出会いと出来事で、自分を確立しはじめるという話だ。
物語の長さは思い切り京極氏らしいが、この作品での文体は軽快な講談調だ。
妖怪が自らの存在理由を求める物語、妖怪とは何かを考えさせる物語など、これまで読んだことはない。
テーマが単純な割りに読みである話を書けるところが京極氏の魅力と思う。
この作品は映画化されるそうだ。内容に厚みがあるとは思えないし、妖怪の話だし、どんなアニメ映画になるか気になるところである。
文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし (角川文庫)
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