最近、本屋に行ってもこれといって読んでみたい本に出会わない。
そんな時に、カミさんから勧められた本を続けて2冊読んだ。
『阪急電車』(有川浩著、幻冬舎文庫)
最近、映画化されたので作品の名は知れ渡っている。
阪急電車という京都、大阪、神戸に路線を持つ私鉄の、
今津線という全線に乗ってもさほど時間のかからない路線を
舞台に各駅ごとに主人公がいる中、その登場人物たちの交流を
うまく描いた作品である。
この今津線に私は大学の4年間、お世話になっていた。
作中にも出てくる大学に通っていたからだ。
読んでいると、風景がまさに目に浮かぶ。
登場人物たちはまさに阪急の今津線に乗っているから
話になるのだと悦に入る。
この作品のファンの方が本を片手に今津線に乗りにこられると
いうのをあとがきで読んだが、その期待を裏切らない描写だと思う。
阪急電車 (幻冬舎文庫)
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『風が強く吹いている』(三浦しをん著、新潮社刊)
この本は陸上経験者がほとんどいない10人の大学生が、
箱根駅伝を目指し、シード権を獲得するまでのそれぞれの
人間模様と走ることとは何かを突き詰めていく様を描いている。
箱根駅伝は我が家からそれほど離れていないところが
ルートになっている。
実際に見に行ったことはないが。山梨で暮らしていたときに、
山梨学院の陸上部の合宿所が近くにあったこともあり、
正月のテレビ観戦は恒例になっている。
(時間があれば、予選会のテレビ番組も観るほどだ)
読んでいる間、テレビで箱根駅伝を観ているような気持ちに
なっていた。
自分の体をわが脚だけで20キロほどの距離を駆け抜ける。
その熱い風を感じずにはおれなかった。
風が強く吹いている
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続けて2冊、自分に身近なものが取り上げられた作品を読んだ。
身近なものだけに作家の描写力に圧倒された。
プロはやはり違うものなのだとつくづく思った。
こういう小説は読後感も爽やかなので、通勤のお供にはよかった。