私は小説をあまり読まない方だと思います。
そんな中で天童荒太さんの本は2冊読みました。
初めて読んだのは『永遠の仔』でした。
日本推理作家協会賞を受賞し、ドラマ化されています。
私は小説を読んで泣いたのはこの本だけです。
通勤電車の中で読んでいたのでこらえるのに苦労しました。
ミステリとしても読み応えがある作品ですが、
ひととして生きていくこと、愛することについて考えさせられ、
最後の1ページで感極まるものでした。
数年たって、文庫化された『家族狩り』を読みました。
5分冊で1ヶ月ごとに刊行されましたが、
あわてて読まないよう小説でない他の本も読みながら、
1冊にゆっくり時間をかけました。
内容はとても重いものにもかかわらず、
読んでしまうのがもったいないと思っていました。
家族のあり方を問うテーマで、
全く境遇の違う自分にも大きく訴えるものがありました。
最近、『ありふれた愛』を買いました。
単行本が出たときにも手にしましたが、買わずにいました。
前の2作品と違って短編集なので、
気持ちにゆとりがある時にひとつずつ
ゆっくり読もうと思います。