東京の桜が散り始めた頃、王子に出かけた。
酒類総合研究所が主催する「お酒の教養講座」に
参加するためだ。
ここは「大蔵省醸造試験所」をその前身とし、
滝野川という地名は日本酒好きには有名なところである。
今はその拠点は広島に移っているといえるが、
酒類に関する国民の認識を高めるため、毎年、
「お酒の教養講座」を開催しているということである。
今回のテーマは「清酒の香り・味の科学」である。
会場には抽選で選ばれた約30人が受講に来ていた。
男性のひとりでの参加ばかりだろうと思っていたら、
女性だけとかカップル(夫婦かな)の参加も多い。
前半は講義。
清酒の造り方と香味成分に関して話しを聞く。
麹・酵母・もろみがそれぞれ味や香りにどんな影響を
与えるかについて勉強になった。
後半は実技、すなわち、利き酒である。
こちらでもなぜきき酒をし、そのための方法とは何か
といった説明を聞く。
その後、色→香り→味の順に、いろんな種類のお酒を
常温とお燗の違いなどもわかるよう実習をする。
飲んだお酒は、
黒龍の純米吟醸、澤乃井の大吟醸、大七の純米生もと、
立山の普通酒、すず音(発泡酒)、金婚の貴醸酒。
解説の方が和やかに、でも、科学的にな説明も加えて
進行なさるので、緊張しつつも楽しむことができた。
常温とお燗は普通酒の立山でやったが、かなり印象が
違い、お燗にする良さを私は感じた。
きき酒は誰かと一緒にするほうが楽しいし上達も
しやすいというお話しがあった。
その通りなのだろうと思う。
この会でも他の方の感想が参考になった。
きき酒終了後、明治時代に建てられた赤レンガ酒造工場を
見学する。
今でも研修でお酒を造っているそうだ。
100年間お酒を貯蔵してその味の変化などを
10年ごとにみていくプロジェクトのお酒が保管されていた。
このような講座に参加できてよかった。
当日の資料は自分の教科書のひとつとして大事に
使っていこうと思う。