ガリレオという小説を原作としたTVドラマが映画化された。
TVでは観ていたが映画を観ることはなかったのだけれど、
レンタルビデオ屋の会員期限が切れる前に
更新すると1本無料で借りられるというので、これを観ることにした。
ガリレオは天才物理学者が犯人の殺害方法やアリバイを
仮説・実験により検証して、真実を明らかにして事件を解決する
という内容が他の推理物と一線を画するものと思っていた。
今回の作品は、冒頭でその片鱗をみせるもののそこだけしかない。
あとは論理的思考による推理で謎に迫っていくだけである。
少し物足らなさがない訳ではないが、作品としては楽しめた。
犯人役の堤真一さんの演技が役にはまっていたと思う。
推理物としてもしっかりした物語の展開になっていた。
「献身」の意味を考える。
自殺を思いとどまらせてくれた隣人の母娘のために
殺人まで犯し、別の殺人の身代わり犯にまでなってしまう。
相手はどうしてそんなことまでをしてくれるのか半信半疑。
確かに、それは「献身」といえるかもしれない。
どうしてと主人公も尋ねるが回答はない。
ひとのこころは物理では測れないというところだろうか。
エンドロールの様子はその「献身」は無駄に終わることを
想像させる。
この事件の解決は誰も幸せにしないと主人公は呟いていた。
その通りのラストに観た後はつらさが残るものとなった。
相手に見返りを望まない行為を「献身」というのだろうが、
「過ぎたるは及ばざるが如し」という悲しい物語になる。
そんな映画だったと思う。
容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]
AMAZONのDVDの紹介ページに飛びます。