梅雨の時期に読んでいた本が『究極の田んぼ』だった。
(岩澤信夫著、日本経済新聞出版社刊)
岩澤氏は農家だが、吉川英治文化賞に輝いている。
その理由は本書の内容と重なるのだが、
耕さず肥料も農薬も使わない稲作である不耕起移植栽培の普及と
環境再生農業や国民皆農の提唱によるものだそうだ。
冷害にも負けず、安心安全なお米をいかに作っていくか、
そういう農業を町おこしの方法に活かす、
簡単な農法の普及が飢餓の時代に国民皆農により凌げる、
不耕起移植栽培の方法や利便性を説くだけでなく、
田んぼを後世につなげていくことの大切さを訴えた本で、
決して読みやすい文章ではないのだが、引き込まれるものがあった。
私の記憶違いでなければ、千葉の蔵元「寺田本家」さんで
私は著者にお会いしたことがある。
不耕起移植栽培で作られたお米も食べたことがある。
そのときには朴訥とした印象で、あまりお話しもなさっていなかった
のではないかと思うのだが、私自身はお酒に目がくらんでいたのだろう。
今回、この本を読んで、田んぼの大切さを感じた。
食の安全への関心は高まっているだけに、岩澤氏の活動が
より浸透していく時代になればと思う。
究極の田んぼ
AMAZONの本の紹介ページに飛びます。