旅行に出かけるときはネットで調べもするものの
ガイドブックを買ったりする。
小布施に出かけたときも「ことりっぷ」を購入した。
それとは別に、小布施がなぜ観光地として人気があるのか
気になっていた。
そこで、小布施に関する本を読んでみることにした。
『小布施 まちづくりの奇跡』(川向正人著、新潮新書)
著者は、建築学の教授で小布施まちづくり研究所所長。
この本では小布施がどんな町であるか、その過去を活かした
「修景事業」とはどのようなものであるか、そして、この先、
小布施がどのように世代を越えたまちづくりをしていくか、
が書かれている。
小布施は、昔のままただある町ではない。
しっかりした考え方、計画性、実行力、それらの継続性を
備えたまちづくりによって積み上げられている町なのである。
だから、その魅力がはっきり出ている町になっているのだろう。
小布施にしかない「また来たい」何かはまちづくりの中にある。
『セーラが町にやってきた』(清野由美著、日経ビジネス文庫)
ジャーナリストの著者が、桝一市村酒造場の代表取締役に
なっているセーラ・マリ・カミングス氏について、小布施での
彼女の活躍を中心にまとめた本である。
セーラさんについてはマスコミに取り上げられたこともあるので、
名前や新しいお酒の販売といった活動は知っていた。
が、その枠を超え、町全体に関わる活動を続けてこられている
ことを知った。
この2冊に出てくる一族がある。高井鴻山の血をつなぐ市村家だ。
昔から小布施を支えてきた一族がその後もまちづくりに
大きな役割を担う立場にいる。
そんな町がまだあるというか、町がそのようにまだつくられるのか
自体に驚くばかりだった。
小布施は閉じた町ではない。訪れて、ひとは少ないし、夜は早く
町が静かになるし、コンビニはないし、それだけを取ってみたら、
田舎町にすぎない。
でも、例えば、「私の庭にようこそ運動」に参加している家庭の
庭には観光客も自由に入ることができる町なのである。
そういう町はなかなかないのではないだろうか。
旅行後に、この2冊の本を読了した。
あまり旅に出ない私だが、また小布施には行きたいと思っている。
そんな期待感のある町だと思う。
小布施 まちづくりの奇跡 (新潮新書)
セーラが町にやってきた (日経ビジネス人文庫)
AMAZONの本の紹介ページに飛びます。