今回のタイトルをググルといくつも記事が出てくるほどにいろんなところで取り上げられているらしい。
早稲田大学で「恋愛学入門」という講義があり、たくさんの受講生を集めているそうだ。
そんな講義が私の大学時代にあったら、絶対受講したので人気があることへの不思議は何もない。
この講義では、恋愛および配偶者選択をテーマとした、進化生物学、進化心理学、経済学、政治学における研究結果を踏まえて、「五感と配偶者選び」「恋愛の市場原理」などを解説しているようだ。
講義を担当するのは、森川友義教授、政治学博士だが「恋愛学」の第一人者として知られていると本の著者紹介には書かれている。
たしかにこのブログでも過去に氏の本について紹介した記憶があるので、そういう気がしないでもない。
恋愛を科学的にみたらこういったことがわかったから、上手に恋愛するならこういったことを留意したらといったことについて触れているように、氏の書いた『「恋ゴコロ」のすべてがわかる 早稲田の恋愛学入門』(東京書店刊)を読んで、私は思った。これなら、より人気があるわけだと思う。
この本に、私は森川氏の独創性をさほど感じない。
「恋愛学」という学問で捉えると、精神分析など恋愛を扱ってきた分野や哲学的な恋愛へのアプローチへは関与していないので、本のタイトルのように、「恋ゴコロ」のすべてがわかる感じは私には持てない。
ひとという動物が存続していく上で恋愛や結婚が持つ意味や、経済原理が無意識のうちに私たちの恋愛に影響を与えていることなどは、知っていることで恋愛に苦労しなくて済むということにおいて、この「恋愛学」には良さがあるだろう。ここでの「恋愛学」は科学的な恋愛術指南という見方も出来るのではないかと思う。
森田氏の
オフィシャルHPを見てびっくりした。
何と「恋愛学」ということばを氏の研究所(株式会社)が商標登録しているのだ。
調べたことはないが、学校の講義名になる学問の名前が、商標になるのも不思議なら、申請して登録するというのもどういうことだろうかと思う。
つまり、一般的に学会を組織するような学問にするのではなく、自分ところの特有のものとして保持していくということになるのではないか。
その程度のものに、「学」をつけるのもいかがなものかと思ったりする。
世の中には、『「恋愛学」講義』という書籍がある。社会心理学の研究書でもとは外国の書物なので、訳者が「恋愛学」ということばをつけたのではないかと想像される。
こちらの本の方が森川氏が恋愛に関して表したものよりも前に刊行されているのではないかと思われる。
私はただの一般人だが、「恋愛学」が森川氏の研究所固有のことばとして内容を固定するのではなく、早稲田以外で、森川氏とは別の流れをくむ研究者が、そういった講義を持っている状況になるほうが健全な学びであり、「恋愛学」がより進化していくのではないだろうかと思わずにはおれない。