盆休みに読む本は内容も重さも軽いものがいいと思って地元の本屋に出かけた。
文庫本のコーナーを覗くもののピンとくるものがない。
新書に回っても同様。
さて、どうするかと思って、映像化された作品などが置かれた企画棚に行ってみる。
そこでもすぐには決められなかったが、隅にある本に添えてあるポップ広告が目に付いた。
「地元が舞台になっている」
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。
(谷春慶著、宝島社文庫)
ジャンルとしてはライトノベルだろう。
帯には「古都・鎌倉を舞台に巻き起こる、文字と書、人の想いにまつわる4つの事件」とある。
古本屋だったり、お菓子屋さんだったりが事件を解決する作品の筆跡鑑定版である。
主人公はいわゆる変わり者で、そこにもう一人の登場人物が振り回されるというワンパターンなものだ。
「気持ちに嘘をつけても、文字は偽れない」と裏帯に書かれている。
文字に目をつけたところにこの本の独自性がある。
ちょっと一般性がないところを大学生を主人公にすることでクリアにしたりとうまく設定をしていると思う。
暑い日に軽く読むにはぴったりの本だった。
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