漢検協会は1995年から1年の世相を表す
「
今年の漢字」を発表している。
今年は「愛」が選ばれた。
身近な「愛」から世界規模の「愛」まで、
「愛」を育む大切さを感じる中、
「愛」が足りない事件が多発した年。
というのが理由の概要になっている。
「愛」ということばがよく使われた年だったかもしれない。
「愛」はたしかにあるけれど、ないのではと思わせる事件もあった。
身近な愛を育むということは、本来あるべきものであって、
ないはずはないと信じたいものであって、その欠如を危惧する
というのはかなりあぶない状況ではないかと脅されているようでもある。
身近な愛は紀宮様のご成婚などを今年としては指すのだろうが、
もっと身近な愛が親子の愛であろう。
その愛が揺らいでいるような事件が報道されるのを見て、
身近な愛なのに届かぬ愛になって、身近な愛があこがれになって
いこうとしてゆくのではと恐れる。
この11年の「今年の漢字」で今回初めて心あたたまるものが
選ばれたそうだ。
でも、それは世相がそのようになったというのでなく、
むしろ逆の流れを懸念する1年であったということではないか。
身近な愛=人の絆を大切に。
はっきりとことばにするのが大事なのかもしれない。