報道で取り上げられていたが、福岡県宗像市の私立東海大学付属福岡高校2年だった男子生徒が2021年、所属していた剣道部で上級生からのいじめを苦にしたとされる自殺事件で、事件に関与したとされる上級生4人を相手取って遺族が訴えた民事訴訟の口頭弁論が、2025年6月20日に福岡地裁で開かれた。
この事案では、上級生4人がこの生徒に対して、体を縛って動けない状態にした上で、わいせつな行為をし、この様子を動画撮影し、SNSで送信したという。
加害者とされた元上級生4人のうち3人とは和解が成立している。その一方で、いじめを中心となっておこなったとされる元上級生については争う姿勢を崩しておらず、同日の口頭弁論で上級生への証人尋問がおこなわれた。
元上級生は行為について、被害生徒への「いじめ」ではなく、生活態度を注意するための「おしおき」や「遊び」だったという主張をおこなった。
原告側の遺族から「社会では犯罪行為に該当する」と指摘を受けると、上級生は「悪いことでしたが、部の雰囲気や流れからそうしてしまった」と証言、「自殺した生徒は、それ以降も部活動に参加していた。以前と変わらず仲がよい関係が続いていた」などと主張した。
裁判所は、双方に和解を打診したとのこと。
テレビドラマではなく現実にこのようなことが起きていることに驚く。
このような行為が「おしおき」だったと法廷で証言するほどに、当時は上級生はこの「犯罪行為」を「遊び」のようにしていたというのだろうか。
された方はたまったものではないし、黙っていたら、嫌がっていないと解釈されてしまうということは怖い話だ。
他の３人と和解が成立しているので、ここでも和解が打診されたのだろうか。
裁判として区切りをつけたい状況なのかもしれないが、歩み寄れるようには感じられない記事だった。
