この曲はアルバム『寒水魚』に収められている。
どんな詞かはブログ
「心の詩」でご覧ください。
この曲は学生のときから思わず口ずさんでいた。
どうしてなのかよくわからない。
夢も愛もなくしたひとが深い海から呼ぶ声に導かれ、
月夜の海を砂の船に乗って出て行くという内容の曲で、
物悲しい。メロディも同様だ。
ブログ「心の詩」さんはコメントにこの詞と同調した気持ちを
添えられている。私もそうなのかもしれない。
『中島みゆきの精神世界』という本で、みゆきさんの詞の
世界を文学などを例にあげながら深く読み込んでいる
三好章人氏は、この詞を「月」のはなしを中心に読み解き、
これを「夢を見ない深い眠りの状態」と表している。
思い起こしてみると私は次のフレーズに引かれている。
「誰もいない夜の海を 砂の船が行く」
サビのところだから当然かもしれない。
砂の船に「僕」は乗っているのだろうか。
「僕」は埠頭や砂浜でこの船を見てはしないか。
「僕」は「夢を見ない国」をたずねられないので
砂の船を送り出しているのではないか。
この曲は鎮魂歌なのではないか。
口ずさんでいる自分の気持ちを想像しながら
そう思った。