この本の著者は畑正憲氏、ムツゴロウさんである。
この本の帯にはこんなことが書かれてある。
『動物を通して人間が分かった。ムツゴロウ流「人間論」
待望の書き下ろし!心と心のコミュニケーション論』
この帯で一番大事なのは「書き下ろし」である。
本文でも述べられているが、彼は筆の進むにまかせて
この本を書いている。実際、この本に章立てはない。
いろんな動物とのコミュニケーション経験や科学の知識を
織り交ぜながら、子どもが親とともに育つ中での「関係」の
ありかたが示されている本である。
が、決して「論」と形付けられたものと私は思わない。
むしろ、ムツゴロウさんが動物との関わり、ひととの関わりで
感じたことをぶちまけただけのものと思う。
これが、私にはなつかしく感じられた。
私の中でのムツゴロウさんは動物とべったりただ暮らしている
ひとではなくて、「ひと」について考えているひとなので、
こういう文章はこれからも書いてほしいと思う。
この本は「ソフトバンク新書」の001番、最初の本になる。
あのソフトバンクは出版も始めたのかとこの本で知った。
でも、この本は本屋で見つからず、アマゾンで購入した。
続編のためにも、「ソフトバンク新書」にはがんばって
もらいたいものである。